トップ > 活動記録 > 提出文書 > 新東京タワー(株)へ提出した質問状について、同社と意見交換

 新東京タワー株式会社(新タワー会社)は、東武鉄道の100%出資により、資本金4億円で設立されました。この会社が、新タワーを建設し、資産として保有し、経営主体になるとのことです。
 2006年9月14日、墨田区の業平橋駅のすぐ脇にある東武鉄道本社におじゃまし、同社内で、新タワー会社の計画担当部長と、課長にお目にかかりました。事前に提出していた質問状への回答をいただきつつ、意見交換を行いました。
 新タワー会社の実質は、東武鉄道という大企業ですから、それなりの対応を期待していました。しかし、表面的な通り一遍の内容の説明にとどまりました。下町に610mものタワーが建つことによる景観への影響は“有名な先生にデザインをお願いしたので大丈夫”、電磁波は“複数の専門家に聞いたら心配はない”などと答え、より深く質問しても、以前の説明を繰り返すか、押し黙るだけで、残念に思いました。
 1.メリットとデメリットについて

【質問状】
 新タワー建設によるメリットとデメリットのそれぞれについて、東武鉄道株式会社、並びに新東京タワー株式会社のお考えをお示しください。

【回答・意見交換から】
 新タワー会社 メリットとしては、地域の活性化、地域貢献だと思っている。今の時点で、東武鉄道と新東京タワー株式会社としては、大きなデメリットは感じていない。
 考える会 世界一の高さのタワーになるので、現在世界一のカナダのCNタワーや、ロシアのオスタンキノタワーについての様々なメリット、デメリットについて調査や検討はしているか。
 考える会 CNタワーに視察に行っているか。
 新タワー会社 行っていない。
 考える会 直接行ってなくても、情報収集は?
 新タワー会社 日本国内の観光展望タワーについては、だいぶ調べ、事業計画を立てたり、課題を検討するうえで、参考にした。海外の事例は、そのまま日本に持ってきて、比較検討になるかと言うと、難しいのでは。
 考える会 高さという意味では、日本には比べられるものがないのでは。
 新タワー会社 600m級は、放送事業者の意向で出てきた高さなので、われわれから出た話ではない。
 考える会 国内のタワーを調べた結果を、どう受け止めたか。
 新タワー会社 このプロジェクトは、十分成功の可能性があるというのが社としての結論だ。
 考える会 日本の各地のタワーはだいだい、うまくいっているのか?
 新タワー会社 個々の会社の収支までは、よく分からない。
 考える会 では、どういう根拠で、十分成功できるという結果になったのか。
 新タワー会社 事業収支的には、ここにこれだけの観光タワーが建った場合、どれぐらいのお客様が来るかを、全国の事例から推計した。それで足りない部分は放送事業者の施設使用料が入る。放送事業者との間で、賃料について基本的な合意をいただいており、それで事業的にはやっていけるという判断をしている。
 考える会 何人ぐらい来ると見ているのか。
 新タワー会社 30年平均で年間270万人。
 考える会 東京タワーは何人ぐらい来ているか。
 新タワー会社 昨年度で260〜270万人。
 考える会 デメリットはないと言われ、ちょっと私たちは、ぎくっとした。営利企業なので、採算を考えるのは当然だが、これからの企業は、社会的責任が必ずつきまとう。特に、610mというのは、国内初。だから、より慎重なお答えを、私たちは期待していたのだが。
 新タワー会社 これは、地域にとってメリットデメリットという質問か?
 考える会 総合的にだ。

 2.建設費について

【質問状】
 すみだタワーの建設費約500億円は、貴社東武鉄道が負担するようですが、そのお金は、鉄道利用者並びに、関連する施設の安全管理に使われるべきではないでしょうか。2005年3月に起こった東武伊勢崎線竹ノ塚駅踏切事故で、駅並びに線路の高架化を望む声もあります。500億円の支出に関するお考えをお聞かせください。また、建設費の算出根拠と、500億円よりふくらむ恐れはないのでしょうか。

【回答・意見交換から】
 新タワー会社 500億円の調達は、放送事業者さんをはじめ、施設をお借りいただく方からの預託金と、東武鉄道を含め、いろいろな方から出資をいただきたいと思っている。残りは金融機関等からの借入、この三つでまかなおうと思っている。
 竹の塚踏切については、今、足立区が中心になって、踏切解消について、いろいろ協議検討させていただいている。
 建設費が500億円よりもふくらむ恐れは今のところ感じていない。
 考える会 預託金、出資の比率は?
 新タワー会社 皆様と、これから相談することになるので、まだ決まっていない。
 考える会 なんらかのラフなデザインは行うのではないか。
 新タワー会社 内心は持っている。
 考える会 それをお聞かせ願いたい。
 新タワー会社 預託金は、放送事業者さんとの賃貸条件に関わることで、守秘義務契約に関わる。
 考える会 預託金は守秘義務があるのなら、出資金と金融機関の割合は?
 新タワー会社 出資協議者との今後の話し合いになるので、いくらということを断言するのは、差し控えさせていただきたい。
 考える会 出資者の呼びかけは始まっているか。
 新タワー会社 まだやっていない。
 考える会 いつごろからやるのか。
 新タワー会社 まだ決めていない。
 考える会 募集してすぐ集まるかどうか分からないので、少しはいろいろ打診しているのではないか。
 新タワー会社 やはりバックが東武鉄道なので、金融機関さんも含めて、そんなに心配はされてないと思う。

 3.スケジュールについて

【質問状】
 新タワー建設が正式に決まった場合、その後のスケジュールをお示しください。特に、環境アセスメントに係るスケジュールについて、詳しくお示しください。同時に環境アセスメントの考え方をお知らせください。

【回答・意見交換から】
 新タワー会社 年内にタワーのデザインについて、事業者案として公表したい。今年度いっぱいをかけてタワーの基本設計を行い、来年度が実施設計。2008年度、タワー工事に着工し、2011年度竣工と考えている。
 考える会 環境アセスメントについて、墨田区の担当者が自主アセスではなくて、条例アセスの方が良いのではと話していたが。
 新タワー会社 確かにご検討いただいて、墨田区のご判断もあるだろうし、東京都のご判断もある。何らかのご指導があると思っている。
 考える会 区は、東武(新タワー会社)がどう考えるか次第だ、と説明していたが、新タワー会社としては、むしろ役所がどう考えるか次第ということのなのか。
 新タワー会社 行政の指導と、われわれとの相談の中で決まってくるのだと思う。
 考える会 新タワー会社の意向は?
 新タワー会社 まだ結論は言えないし、行政とのご相談になるが、われわれ事業者としても条例に基づいてきちっと手続きをしていった方が、透明性も公平性もあるし、そういう意義は十分理解できる

 4.景観について

【質問状】
 一般の住宅地が多い業平橋・押上地区への高さ600m級の新タワー建設は、周辺住民に威圧感を与え、景観に大きな影響があり、また、隅田川花火大会の花火観覧にも影響があるのではと危惧いたしております。景観への影響について、東武鉄道株式会社、並びに新東京タワー株式会社としてのお考えをお示しください。

【回答・意見交換から】
 新タワー会社 タワーのデザインについて、これまでのパース(タワーのイメージ図)を踏まえながら、もう一度デザインを見直しをしたいと考え、今年7月、彫刻家の澄川喜一先生、建築家の安藤忠雄先生に、デザイン監修をお願いした。われわれとしては、いい物ができると期待している。
 同じ日に、広く区民、全国の皆様のご意見をおうかがいしたいというで、「届け!私が想う新タワー」というアンケートを募集した。われわれが思った以上に反響が大きくて、5000件強の回答があった。この内容も、澄川、安藤先生にもお話をし、さらには、タワーの施設計画、周辺での複合開発計画にも反映させていきたい。
 考える会 タワーのデザインは、現在のイメージ図とまったく違うものになる可能性もあるのか。
 新タワー会社 可能性はあると思う。先生方には特段、制約条件は出していないので。澄川先生は反りのある彫刻を得意とされているので、タワーのフォルムも、反りの美しさとか、展望フロアとのバランスの美しさとか、才覚を発揮していただけるのではないかと思っている。
 考える会 現在のデザインは、どこが作ったのか。
 新タワー会社 日建設計が作った。今、基本設計、構造設計、設備設計も日建建設にお願いしている。
 新タワー会社 隅田川の花火に影響があるの危惧とは、どういうご心配なのか?
 考える会 花火が見えるからマンションを買った、という人もいるだろうし。
 新タワー会社 マンションの窓から花火が見えなくなるという危惧…。
 考える会 どんなに素敵なデザインであっても、巨大なものを建てること自体に威圧感を感じる、景観を損ねるという意見があるというように、時代の流れは変わっているのではないか。
 新タワー会社 澄川、安藤先生にデザインをお願いする中で、東武鉄道の思いとしてお話をしているが、東武鉄道は地域密着型の事業展開をやってきているし、地域あっての事業会社だ。この墨田区押上の地に600m級のタワーを建てるにあたっては、地域主義というか、地域が持っている歴史的な文化や土地柄を十分に踏まえたものを考えていく必要があると思っている。
 考える会 地域密着型というが、ほとんどの墨田区民が、よく分からないうちに誘致計画が出て決まってしまった。われわれにも、区民から不安の声が寄せられている。
 新タワー会社 ご心配を払拭すべく、いい景観、いいデザインを造って、よくご理解いただけるようにがんばっていきたい。

 5.電磁波について

【質問状】
 現東京タワーから発せられている電波により、同タワー周辺では諸外国の基準を上回る電磁波強度が測定されています。また、海外では、電波塔周辺で発がんリスクが高まるとの疫学調査結果も報告されています。新タワーからの電波によって、周辺のどの程度の範囲にどの程度の強さの電磁波が及ぶのか、および、それによる健康影響について予測、評価するため、専門家による調査検討を行うことを求めます。これについて、東武鉄道株式会社、並びに新東京タワー株式会社のお考えをお示しください。

【回答・意見交換から】
 新タワー会社 このタワーのプロジェクトを取り組むにあたって、電磁波について複数の専門家からいろいろなご意見を聞いた。これについては、まったく心配ないというご意見、お話を聞き、総務省からも、そういうお話を聞いて、われわれ自身としては心配はしていない。ただ、いろいろなご心配の声が地元あることは聞いているので、これについてもよく分かるように、これからよくお話をしていく必要あると思っている。
 考える会 複数の専門家とはどういう方か。
 新タワー会社 名前は出すせないが、私ども東武鉄道なので電気を扱っている専門家もいるし、社外でも、特にテレビ局の関係者とか、アンテナの関係を扱っている方とかのご意見を聞いた。
 考える会 総務省の考え方も5年前とは変わっている。「安全だ」ばかりではなく、安全でないという論文もあるということも言うようになってきている。
 新タワー会社 電波防護指針が、厳しくなるかもしれないということか?
 考える会 当然だ。すでに世界的には変わっている。国レベルでは、日本と同じでも、人口密集地のパリやザルツブルグの基準はとても厳しい。
 考える会 電磁波の安全性について議論があるということは承知されているか。
 新タワー会社 まさに電磁波問題市民研究会がおありなのだろうから、いろいろな議論があるというのは承知している。
 考える会 危険性について研究されたり発言しているような専門家から話は聞いていないのか。
 考える会 こういう懸念材料もある、ということぐらいは聞いていないか。まったくのバラ色か?
 新タワー会社 個別具体的にこういうリスクがあるという話は聞いていない。
 考える会 トップレベルの研究者ならば、今のWHOの論議を知らないはずがない。
 新タワー会社 ただ、一番やっぱり情報をお持ちなのは総務省なのでは?
 考える会 総務省は全部知っている。しかし、研究者を通じて知るわけだ。
 新タワー会社 電波防護指針が近いうちにもっと厳しくなった結果、今の日本の放送システムが変わるぐらい厳しくなるのか?
 考える会 少なくとも、何か新しく建てる時に、住民とか、市民団体とか、さまざまな利害関係者の意見も聞くべきだということにはなる。
 WHOが高周波の環境健康基準を2008年に出す。思いもよらない逆風が吹いてこないとも限らないのでは。
 新タワー会社 そうならないように、国民の皆様に、よくご説明すべきことはご説明したい。
 考える会 電磁波については、住民によく説明しますという言葉しかなかったが、うまく説明すれば良いというようなお考えしかないのであれば、そこはもう少し踏み込んで検討していただきたい。
 考える会 これを契機に電磁波について勉強してみては?
 新タワー会社 電磁波について勉強はしている。墨田区役所さんと一緒に勉強したともある。

 6.その他

【質問状】
 貴社が、事業主体として、タワーの事業について、付帯施設(商業施設等)も含めた計画全体についてのご説明をお願いいたします。

【回答・意見交換から】
 考える会 今年度いっぱいまでの基本設計には、周辺開発も含まれているのか。
 新タワー会社 含まれていない。タワーの工期は3年かかるが、周辺開発はタワーに比べれば工期は短いので、後追いで基本計画から設計に入っていくことになる。

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