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 2006年10月28日開催の「本当に安全? 新東京タワーの電波!」での質疑応答の概要について、掲載します。
 住民不在の新タワー誘致

 参加者 私は墨田区で生まれて育って住んでいるが、新東京タワーは、いったい誰が最初に言い出したのか。
 網代(新東京タワーを考える会共同代表) 最初に言い出したのは、放送事業者だ。2003年12月、在京テレビ放送事業者6社が、「地上デジタル放送の普及には600m級のタワーが有効」と表明した。それ以前から新タワーの動きはあったが、今回の流れの直接のきっかけになったのは、この時だと思う。
 参加者 墨田区に住んでいる人たちからの要望で、新タワーが提案されたわけではない。ここ(曳舟文化センター)のホールで(誘致推進の)決起集会があって、お祭りムードでどんどん行け行けで、タワーが出来れば景気が良くなって地元が潤うという宣伝をいっぱいしている。実際に地元に住んでいる私にしてみれば、絶対ここは地盤も悪いし、電磁波のことは前から少しは聞いていたが、ものすごい影響があることは今日初めて知った。墨田区民を犠牲にしてタワーを造って東武がもうかって、放送会社がもうかって、地元の商店は全部つぶれて、生活が成り立たなくて、結局移転せざるを得ない人も中には出てくるかもしれない。一時的には確かに観光客は増えるかもしれないけど、熱しやすく冷めやすいから、今の東京タワーみたいに来るはずがないと思う。しかし、今から反対運動すると言っても展望が見えてこない。区が音頭を取って、(新タワー建設を)やる方向へ行っているわけだから、じゃあどうすれば良いか。地道にコツコツやっていくしかないかもしれないが。ここにずっと住みたいと思っていたけど、いやだなという気持ちが出てきてしまった。
 大久保(新東京タワーを考える会共同代表) 新タワーの良いことだけが一方的に宣伝されている。地道にでも問題点を訴えていけば、墨田区民の多くも「万々歳で良いのか」となっていくと思う。
 網代 形としては、地元の商工会議所や町内会連合などが、タワー事業に取り組むよう東武に要請した経緯がある。しかし、本当は、どういう人たちの間でどういう話がなされて決まったのか、私たちも知りたいところだ。
 参加者 区の広報には、いろいろな集会のこととかが載る。この集会を知ったのは、たまたま「東京新聞」に出ていたから。読んでなければ、全然知らなかった。本来は区の広報に、賛成派(の催し)も反対派も載せて、知らせた方が良いと思う。こういう集会があることを、もっと宣伝してほしい。
 荻野先生 その通りで、私も携帯タワーの建設に関しては、NTTなり(タワーに)賛成する人との討論会にするように、と必ず言っている。しかし、実現したことがないのが残念だ。「電磁波は危険だ」という私の見解を撤回させてくれるぐらいの人と議論できたら、こんな幸せはない。
 参加者 向島の人は地味というか、おとなしい人が多いし、ここはほとんど「読売新聞」を取っている。どなたに言っても、今日の集会のことを知らない。もう少し集まる人を多くした方が良いと思う。
 網代 私は、区も一緒になって、電磁波が安全だという立場、そうではないという立場の両方の専門家を呼ぶ催しを開いてほしいと、区にお願いしたことがある。みなさんが区にどんどん言っていけば、実現するかもしれない。
 鉄道運行への影響は

 参加者 東武、京成の電車は、コンピュータで運行されている。タワーの電磁波によってコンピュータに問題が発生して、信号が狂うなどの恐れはないか。
 荻野 以前は「電磁波障害」で、走行中の列車のドアが開いたりする異常が発生したことがある。しかし、今では、もしそういうことが起きるとすれば、携帯タワーの電磁波によって、もっと早く起きているはずだ。コンピュータは、外部からの電磁波のノイズの影響から守る構造になっているので、デジタルタワーからの電波でおかしくなることは、あまりないと思う。
 電磁波の防ぎ方


 参加者 家の中で電磁波を防ぐ対策、できるだけ体に影響がないようにする方法は。
 荻野 家の中にある電磁波の発生源のほとんどは低周波(50または60Hz)の電気製品だ。高周波は、電子レンジと携帯電話だけ。低周波磁場を防ぐのは大変難しいが、高周波はやろうと思えばやれる。高周波を低減するカーテン、ガラス窓、壁紙が売っている。しかし、大変高価だ。また、屋外に出ると、これらでも防げない。
 参加者 外国では子どもに携帯電話を使わせてはいけないという法律が出来ているというが、そういうのをまとめた一覧表はあるか。
 荻野 “法律”ではなくて、出ているのは“勧告”などだ。ロシアは放射線防護委員会の勧告、ドイツは環境庁の勧告、イギリスは研究班のステュワート委員長が勧告した。法律になっている国は、ないと思う。

 電磁波過敏症

 参加者 私は電磁波過敏症だが、この病気はなってからでは遅い。私は電磁波から逃げて歩いている。月のうち1週間から10日は、山形の山小屋へ避難している。「何を言ってもダメだ」と、ほとんどの人はあきらめるが、今のうちに立ち上がらないと、大変なことになる。私の家は横浜の南部で、電波塔がたくさん建っている。3、4年前にまた建つということで、私たちは必死にビラ配りをしたり、総務省とかかけあって、とうとうそれはなくなった。だから僭越ですが、建ってからでは遅い。私なら山形でもどこでも行けるが、かわいい孫たちは守りたい。
 携帯電話・携帯タワーの電磁波

 参加者 私は、程度は軽いが電磁波を感じている。自宅から300〜400mの範囲に、携帯基地が六つある。友だちに「田舎に住んでいたら良かったのに」と言ったら、友だちから「田舎は基地の数は少ないが、電波が強いのが建っている」と言われた。そうなのか。
 荻野 都会は携帯電話のユーザーが多いから携帯タワーから出る電波は多い。田舎はユーザーが少ないからタワーから出る電波は少ないが、タワーからの電波が少ない所では、タワーから出る電波や、一人一人の携帯電話から出る電波のほうは、かえって強くなる。田舎で携帯を使っている人と都会で使っている人について脳腫瘍になる割合を調べたら、田舎の方が多かったという論文が、一昨年にスウェーデンで発表された。使用している携帯電話からの出力が、田舎では「タワーが少ないので強くなるからだろう」と著者は結論に書いていた。
 参加者 私の地元で、ドコモが三つも携帯電話基地を建てて、しかも三つ目は公民館の上に建てた。ドコモが半径500mまでの測定値を公表したが、ものすごく低い数値で、0.0000いくつ(μW/cu)とかいう数字だった。こんなに低い数値が出るのは、測定の仕方に何か問題はないのか。
 荻野 同様の相談を、よく受ける。測定した時に、その携帯タワーが何%稼働していたのか、示されないのが問題だ。たとえば、その携帯タワーが同時に最大で携帯電話50台を処理できる能力があるとする。測定した時に、実際にそのうち何台へ電波を送信していたのか。フル稼働時の電磁波は、たとえば総務省のパンフレットでは、タワーから200mの所で0.8μW/cuと書いてある。計算をすれば、実際にその通りになる。たぶん、NTTなどの公表値は、フル稼働時を測ったものではない。もしくは、第2世代のタワーは送信電波に指向性があるので、タワーからの距離は同じでも、方角によって電波が弱くなるので、そういう所で測った可能性もある。
 携帯電話の周波数の電磁波を限定して測れる測定器は、500万円ぐらいする。私や、携帯タワーの反対運動をやっている人たちは、残念ながらそれを持っていない。電磁波全体を測る測定器は持っている。これは70〜100万円で買える。それで測ると、テレビ塔からの電磁波も入ってくる。だから、私や市民団体が測れるはずがないという、足元を見たデータを総務省やNTTなどが出しているのではないか。実際は、NTTなどの発表するそれらのデータよりも、最大値では多分2桁近くは違うのではないかと、私は思っている。
 大久保 補足する。携帯電話の電磁波は、受信と送信とで違う周波数を使うなど、ある程度の幅を持った周波数帯だ。しかし、携帯会社は“帯”ではなく、一つの周波数だけを測って小さい数値を出すという、ごまかしをする。
 実際は、携帯会社自身が住民説明会で、「最大500μW/cuになる」と言ったこともある。少なくとも携帯会社がよく言う0.00…という数字よりも、総務省がパンフレットに書いている0.8μW/cuの方が、まだ正しい。
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